【朝井リョウ 『何者』続編『何様』】就活に悩み苦しみ戦った、彼ら7人のサイドストーリー【ネタバレ無し!!】

2020年9月8日

佐藤健主演で映画にもなり、就活を正面から題材に取り上げた朝井リョウ著の小説「何者

物語の中心である彼ら5人
サークルで演劇脚本を行っていた二宮拓人
バンド活動から就活に一瞬にして身を翻した神谷光太郎
光太郎の元彼女であり、インターンシップ経験ありの田名部瑞月
就活の情報に誰よりも早く意識が高い小早川理香
どこか周りを達観して見ている理香と同棲している恋人宮本隆良

そして彼ら5人(と言うよりは拓人へ)のアドバイザー的な立場であるサワ先輩
拓人と同じ劇団サークルに属していたが、喧嘩別れしてしまい今も自ら劇団を立ち上げ活動している烏丸ギンジ

自分への葛藤
他人へどう見られているのか
就活の成功とは?
就活を舞台に彼らが奮闘し、徐々に彼らの立ち位置や本性が垣間見れる

最後に誰が内定を取れるのか?
現代における就活とは何なのか?
若者はみな何を思い感じているのか?
自分たちは社会において何者なのか?

その傑作「何者」のサイドストーリー『何様
登場人物の過去や未来に何が待っているのか?

構成とあらすじ

本の構成としては、各章に一人づつの話がつづられています

その話の内容が過去なのか?
それとも未来なのか?

それは各登場人物ごとにそれぞれ変わっています

ただ、一貫して言えるのは
過去ならば過去の話、未来ならば未来の話としてまとまっており
完成度の高い短編集となっています

それでは、各章のあらすじをまとめました

(ネタバレにならないよう簡易的にまとめています)

水曜日の南階段はきれい(光太郎)

光太郎が高校3年生の時の話

受験を控えている光太郎は英語が苦手であり
特に英語が苦手である

ある時ふとした出来事がきっかけで、同じクラスの荻島夕子が英語が得意なことに気が付く

女子グループに属しながらも独自の距離感を持つ夕子に
少しながら興味を持った光太郎は、英語を教えてもらうために夕子に接近

そこで夕子は毎週水曜日に学校の南階段を一人掃き掃除をすることを知る

それはなぜなのか?
そして夕子にはまだ謎がありそうな雰囲気が。。。

光太郎の初恋の物語

それでは二人組を作ってください(理香&隆良)

姉とアパートで同棲生活を送っていた大学生の理香

しかし、姉の結婚により姉がアパートから出て行ってしまうことに
このまま理香一人では到底二人分の家賃など払えるわけなく、ルームメイトを探すことに

そこで、大学で仲の良い明美をルームメイトとして狙いを定める

明美は流行に敏感な女子大生であり

最近は「ログハウスライフ」という互いに知らない男女が
おしゃれな家具に囲まれた家で共同生活を行い、そこで芽生える恋模様を
切り取ったテレビ番組にハマっている

そこで理香は「ログハウスライフ」に出てくるおしゃれな家具で
自分の家をコーディネートすれば、明美は同棲の話に乗ってくるんではないかとたくらむ

早速それらが売っている家具屋へ足を運ぶと
そこで店員としてアルバイトしている隆良に出会う

家具の話で隆良と気が合い距離を縮める二人
着々と進む家のコーディネート

理香は無事ルームメイトを見つけることができるのか

逆算(サワ先輩)

コンビニで買い物中、目の前の人の財布から覗いた免許証
そこに記載されている生年月日から何かを逆算しているOLの松本有季

鉄道会社の総合職として働く彼女は
今度結婚する同期の結婚式での余興をどうするか考えていた

ある時、同期とランチを食べていると同じ会社の沢渡(サワ先輩)と出会う

実は今度結婚するのは、有季の同期の女の子と
サワ先輩の同期の男性であることが分かる

二人とも余興を頼まれており、どうせならまとめて一緒にやってしまおう!
という話になり、有季とサワ先輩は幹事的な役回りに

余興について計画を進める二人は、次第に距離を詰めていく

しかし、有季にはあるコンプレックスがあり
あと一歩がなかなか踏み出せない

有季のコンプレックスとは?
サワ先輩との関係はどうなるのか?

きみだけの絶対(ギンジ)

高校2年生の亮博、部活から家に帰るとリビングで母が記者からインタビューを受けていた

聞くと亮博の叔父である烏丸ギンジの記事を書くとのこと

幼いころにあっただけで、特に叔父への印象もない亮博

ギンジの職業の「表現者」
父にその職業何かと聞くとあまりいい顔はしない
「社会に必要な仕事」をしている父からしてみれば、ギンジの仕事は良く映らないらしい

亮博には付き合っている彼女花奈がいる
彼女の家はシングルマザーであり、あまり生活は裕福であるとは言えない

取材から何日か経った頃、母から烏丸ギンジの劇団公演のチケットを渡される

内容は「生きづらさを抱えてる人たちへむけた生活」

花奈と二人で劇を観に行く亮博
亮博は烏丸ギンジの劇を観て何を感じ何を思うのか
劇団を主宰し続けるギンジは、周りにどう影響を及ぼしていくのか?

むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった(瑞月)

マナー講師として各会場で講演を行う桑原正美
昔から優等生であり、反抗もせず親に褒められ続けて育ってきた

反対に妹である栄子は昔から人の言うことを聞かず
親に迷惑ばかりかけてきた

しかし、最近結婚した栄子に対して両親はかなり喜んでいる様子
昔から優等生の自分が何故か少し蔑ろにされているような気持が、正美には芽生えていた

仕事でも、昔ヤンキーだったが今は更生しましたというのが売り文句の
元ヤン新人講師に仕事を取られ続けうまくいかない

今まで優等生でいた自分は何か間違っていたのか?
晴れない気持ちを持っていいたとき、ふとしたことから田名部さんと出会う

田名部さんのは一人娘を持つ旦那さんで
奥さんは心が弱く、すぐ自虐的な行動をとってしまう

それに田名部さん悩んでいるのが時折垣間見える

そんな心に晴れない気持ちを持つ二人の出会いはこの先。。。

何様(?)

ドゥ・バイ・ベストというIT企業で働く新入社員松居克弘
入社から半年以上経ち、今は人事部で採用面接の仕事に従事していた

そんな折、大学の同期から高校向けコラムのインタビューを受けてほしいといわれ承諾する

インタビューに答えているうちに、学生の時は「誠実であればいい」という信念だけを信じて
部活や、就活を行ってきた
「誠実」が必ず正しいと思っていたことを思い出す

しかし、人事という立場で人を判断するとき
「誠実」だけで判断していいのだろうか?

「誠実」は判断基準として間違いなのか?

「誠実」は社会人としてこのまま第一に持っていていいのか?

選んでもらう立場から、
選ぶ立場に変わった時

人は何を感じ
何で人を判断するのか

選ばれる事が第一である「何者」
選ぶことが第一である「何様」

何が違うのか?それとも同じなのか?

克弘の答えとは?

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感想

何者」のサイドストーリーとして高い完成度であることは間違いなく
登場人物のサイドストーリーと言うよりは
スピンオフ作品とうい色合いの方が強いような気がします

各章にテーマがあり
そしてそれを読者に考えさせる

登場人物の悩みや葛藤に読者も引きずり込まれ
あたかも自分が悩んでいるんではないかと感じさせる

何者」は学生向けのようなところがあるが
何様」は大人向けのよう

そんな雰囲気と題材であったと感じました

まとめ

サイドストーリーとして、やはり「何者」を読んでからの方が楽しいです

でも、何者を何も知らない人が読むのも有り

特に20~30代の人であれば読んでいて何か思うところがあるかもしれません

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